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TOP > インタビュー トップインタビュー >  > Vol.45 株式会社TICK-TOCK 代表取締役 牛尾 早百合さん

ヘアサロン領域

2014.10.08

20代で独立し、現在神戸と大阪に6店舗を構えるTICK TOCKの代表、SAYURIさん。
近年では、オリジナルのステップボーンカットが、特許を取得。
短い時間で施術でき、カット料金のアップにも寄与するこの技術が、全国の美容師から注目を集めています。
アーティスティックな作品も次々と発表しながらも、経営者としても敏腕をふるう、SAYURIさんの脳内に迫りました。

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PROFILE

牛尾 早百合(うしお さゆり)

世界を旅する直感型クリエイター/空想的夢想家/未来志向デザイン実践家/Hair dresser/Hair Make-Up Artist/Photographer/特許技術ステップボーンカット考案者/LFCA日本小顔補正立体カット協会理事
世界中の街角でモデルを発掘し、衣装調達ヘアメイクから撮影まで全てを自ら行う独自のスタイルで作品を創作。ART PHOTO BOOK 「For Japanese Hairdressers〜日本の美容師たちへ」は世界6カ国13都市で発売。経営もクリエイションととらえ、未来に立って思考しデザインし続ける姿は、美容師のみならず、様々な分野の経営者や多くの働く女性達に勇気と希望を与え続けている。 TICK TOCK webサイト → http://www.tick-tock.co.jp

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|第2章|カット料金の値上げを可能にするために

SAYURI まず、カットの技術ですね。うちのサロンでは、ステップボーンカットという技法を教えています。ステップボーンカットの基本的な考え方は「10万本ある髪の毛を、10万本だけ切ろう」というものなのです。もちろん、毛先をそろえたりすることはありうるのですが、それにしてもせめて20万本しか切らない。ウェットでカットしてハンドドライしたらもう終了。基本的には全て1回でフィニッシュする、何度も同じところを切らないというのが原則なんです。

野嶋 なるほど。そういうカットが可能なんですね。

SAYURI 1回でフィニッシュしようとすると、64回で切れるんです。まさに一刀入魂ですね。

野嶋 64回ってすごいですね。その考え方もとても合理的ですね。そうか。だから、刃の長いシザーや、指通りのよくなるローションを使うんですね。

SAYURI その通りです。何回も切り直す余裕があるから、上手くならないんですよ。切ってチェックして削いでチェックして、チェックばっかりするから時間がかかる。だから、1回切ったらそれっきり。もう1度切るのは失敗したからだという考え方をします。

野嶋 その考え方を型にしたわけですね。型にしないと伝わらないし育たないですもんね。

SAYURI そうですね。シンプルなんですよ。ブロッキングの方法も1通りしかありません。これまでのカットのセオリーって、スタイルによってブロッキングの位置が変わるから、それひとつとっても煩雑でしょ。ブローしたり、スタイリング剤をつけたりもしない。スタイリングで似合わせをするのではなく、カットで似合わせを終えるという考え方。とてもシンプルです。

野嶋 それは再現性が高いということだから、お客さまにとってもいいことですね。

SAYURI 唯一の欠点は、持ちがよすぎるから来店頻度が落ちることくらいですね(笑)。

野嶋 施術時間もそれだけ短くなるということですよね。

SAYURI 徹底して無駄を省いているんです。

野嶋 TOYOTAの生産ラインのようですね。無駄を無くしてネジ1本から原価を削減するという……。サービス業でそれができるのはすごいですね。

SAYURI むしろサービス業ですから、少しでも時間が短い方がお客さまにとってのサービスですよね。マッサージなどは違いますが、そういうもの以外は短い方がいいでしょ。

野嶋 その通りです。調査をすると、ヘアサロンにかかる時間は少しでも短くしたいという人が大半です。

SAYURI ステップボーンカットの良さは、時間短縮の面だけではなく、カット料金をあげられるということもあります。

野嶋 技術料をプラスαでもらうということですよね。

SAYURI そうです。どれだけ講習を受けても、どれだけ上手になっても、日本の美容師さんって、人がいいからサービスしちゃうんですよ。お金も時間もかけて学んだことを値段に反映できなかった。だからプロダクトをプラスして、料金のアップがしやすいようにしているんです。中国、韓国、台湾などもそうですよね。カット料金は異常に安くて、パーマやカラーやトリートメント料金が高いんですね。要するに、プロダクトが入るとお客さまに納得感が生まれるんです。

野嶋 なるほど。それは、画期的な考え方ですね。だからこそ、ローションが必要なんですね。

SAYURI そうです。このカットを学ぶ受講生さんたちも、全員がスムーズに料金を上げられる仕組みなんです。

野嶋 今までは、新しい技術を身につけても、切っている人は同じだからということで料金は据え置きになっていたものを、切り分けることでプラスαの料金をいただこうということですね。

SAYURI そうです。だから、今までのカットはそのまま続けるんです。その上で、この立体小顔カットにしますか? これは、プラス2000円ですというアプローチをします。選ぶのはお客さま。今までのカットでいいわというお客さまには、絶対にステップボーンカットの技術は入れません。

野嶋 すごくグローバルな考え方ですね。プラスする理由がちゃんとあるし、アジアの人たちに向かっての技術は、今後そうじゃないと通じないですよね。

SAYURI 中国で私たちがセミナーしたら、一緒に写真を撮ろうと言われますよね。その写真、私たちが帰ったらバーンと店内に飾られて、「このような講習を受けたから、料金もあげますね」というように、ディプロマのように使われているんです。

野嶋 確かにそうですね。

SAYURI でも、本当はそれが当たり前のはずですよね。高いお金と長い時間を使って勝ち得た技術ですから。本当はそちらの方が当たり前なんです。でも日本の美容師さんはどうしてもそれができないから。だから、マネタイズできるしくみを作ったのです。

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