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2012.01.24

星野 佳路氏(株式会社星野リゾート代表取締役社長)

星野 佳路(ほしの よしはる)

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経営難に陥った老舗温泉旅館やリゾートホテルを次々と再生に導き、「リゾート再生請負人」と呼ばれるようになった、星野リゾート社長の星野佳路氏。「リゾート運営の達人になる」というビジョンを掲げ、自ら行った星野リゾートの組織改革の秘訣は、変革が求められている美容業界でもきっと参考になるはずです。

日時 2012年1月24日 開始/16:45 終了/18:30
場所 グラントウキョウサウスタワー アカデミーホール
動員数 198名
プログラム 特別講演 【再生請負人による勝ち続ける組織への挑戦】
星野佳路氏(株式会社星野リゾート 代表取締役社長)

PROFILE

星野 佳路(ほしの よしはる)

1960年長野県生まれ。慶応大学経済学部卒業後、米国コーネル大学ホテル経営大学院修士課程修了。1991年株式会社星野温泉(現星野リゾート)社長に就任。以来、「リゾート運営の達人になる」というビジョンを掲げ、「もう一つの日本」をテーマにする滞在型リゾート「星のや」、高級温泉旅館「界」、ファミリーをターゲットとするリゾートホテル「リゾナーレ」などのブランドを全国に展開。

星野 佳路氏(株式会社星野リゾート代表取締役社長)

|第1章|経営の要は「人」であり「組織」

 星野リゾートは現在、温泉旅館やホテルなど28施設の経営を担っていますが、経営においていちばん重要なポイントは「組織」だと思っています。そして、サービスが私たちのウリですから、それを提供する「人」がそのまま商品になります。

 しかし、長野県軽井沢に拠点を置く星野リゾートでは、私が4代目社長に就任した1991年当時、リクルーティングにひじょうに苦労しました。広告費を払って求人雑誌に募集広告を掲載しても、まったく人が集まらなかった苦い経験もあります。そんな中で、どのように組織を作ってきたのか——。

 その前にまず、星野リゾートの概要からご紹介しましょう。星野リゾートは老舗温泉旅館から始まり、1987年にリゾート法(総合保養地域整備法)が施行されたのを契機に、リゾート運営に特化する経営戦略を取りました。ホテルは開発・所有・運営とそれぞれ役割分担があります。しかし、日本ではこれらが長らく一体になっていました。今でもそのようなところは多いのですが、世界のリゾート業界では1980年代から、所有と運営の分離が進んでいます。

 リゾート法の施行を契機に、東京の建設会社や不動産会社が新規参入し、地方のリゾート開発に乗り出すことを脅威に感じていました。ところが、彼らが作る施設を運営するビジネスに転じれば、彼らはお客さまになる。私たちは、開発にも所有にもこだわらず、これから日本中にでてくるであろうリゾート施設の運営に特化したビジネスを展開しようと決めました。運営に特化したのは、日本のリゾート業界では初の試みだったと思います。

 現在、運営を担っているのは28施設。「和のリゾート」と呼んでいる星野リゾートのフラッグシップホテル「星のや」は、私の生家があった軽井沢の敷地に2005年に開業しました。2009年には京都に、今年2012年6月には沖縄の竹富島にオープンします。その後も富士山など、日本の非日常的な空間を演出できる場所に開業していく予定です。

 「リゾナーレ」は「大人のためのファミリーリゾート」をコンセプトに、3世代旅行をターゲットにしたブランドとして展開しています。八ヶ岳、熱海とオープンして、2012年4月には沖縄の小浜島、2013年7月には北海道のトマムにも既存の施設がリニューアルオープンする予定です。

 私は日本の温泉旅館を「日本文化のテーマパーク」と呼んでいますが、これを改めてブランディングして、「真刺激」を与えようと展開しているのが「界」です。「界」は現在、阿蘇や津軽などに4施設ありますが、今年中に10施設を目指しています。

 界では特に、温泉旅館の原点を大切にしながら、西洋ホテルのバトラーに負けないプロフェッショナルなサービスを提供することを重視しています。そのため、施設よりも、どんなスタッフが、どんな表情でお待ちしているのかといった、サービスの質感を打ち出すようにしています。

 近年ではリゾート施設の所有と運営の分離がさらに進み、私たちが請ける案件も増えています。これだけの急成長を支えるのは、「人」であり「組織」です。どう人を集め、組織を作っていくのかが、これまでの最大のテーマでした。そのときに重要だと感じたのが、「星野リゾートらしい組織」ということです。

 「星野リゾートらしい組織」であるために、私たちが大切にしているのが、「ビジョンと価値観の共有」「コンセプトへの共感」「フラットな組織」「醍醐味満喫」です。この4つのキーワードについて、具体的にお話ししていきましょう。

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